解決!岳ネット~厚けりゃいいってもんじゃない!編~
Date:2015.01.21
Category: その他
POWCOMスノージャーナルをお読みいただいている皆様
あけましておめでとうございます!
本年も解決岳ネットをどうぞよろしくお願い申し上げます。
さて本日のお題は『インナー』でございます。
その中でも今日は下着について掘り下げていこうと思っています。
皆さんはきっと自分のお気に入りの一枚を持っているでしょうね!
今現在、各メーカーから様々なモデルがリリースされていますが、どれも高額でちょっと手が出しづらい感もあります。
高けりゃいいってものでは決してありませんが、高い物には当然理由が存在します。
特にアウトドアギアにおいては、生死に関わる事にもなりえるので『ぼったくり』のような商品はだいぶ少ないと思います。
ただ、より良い物を自分が求めている物を適切な金額で手にして頂くためにも知っておくと良い情報を紹介しましょう。
一つ目は素材です。
これはみなさん常識の範囲で知っていると思いますが、天然素材の『ウール』を代表に、『化繊』と呼ばれるナイロンやポリエステル、ポリプロピレンなどが代表的です。
これらの素材の特徴として良く耳にするのは速乾。すぐ乾く。
これは水分が素材に吸収されるのではなく、絡むというイメージに近いからです。
特のウールにおいては化繊と比べ、同量の水分を吸収しても冷たさを感じにくくなっています。
しかも水分を離しやすいので蒸れにくいという特徴もあります。
じゃあ全部ウールで作れば...ともなりそうですが、着心地だったり耐久性、手入れの難しさなどもあり、他の化学繊維を織り交ぜて製品化されています。
でもやっぱりウールが多い製品は保温性が高いうえに蒸れにくく、汗冷えしにくいと言えるでしょう。
ここで豆知識!商品タグをご覧ください。
使用量の多い素材から表示されています。
どの素材が多いのかを確認する事でその商品の、ある意味性能を知る事ができますよー!
高いアウトドアインナーと比較的安価なインナーの素材を見比べてみてください。
高いインナーはウールが多いはずです。
ちなみに注意しなければならない素材はレーヨンです。一見化繊的響きの素材ですが
人工的に作ったコットンのようなもので綿同様、水分を吸収しやすい反面離れずらく乾きが遅い素材です。
『あったかインナー』のフレーズに惑わされないでくださいね。
二つ目は商品の構造とでもいいましょうか...
アウトドアで着用するに適した衣服は、『運動する』という事を前提に作られています。
運動時ストレスなく着ていられる、または着用する事でパフォーマンスが上がる!などなど工夫が凝らされてますね。
立体裁断は、今ではもうあたり前田のクラッカーですが、縫い方や縫い目の場所一つで可動する部分のストレス度が激減できています。
ストレッチ素材を織り交ぜて作られているものも多くなってきました。
アウトドアウエアは運動性能と耐久性が素晴らしく高くなっています。
靴下などはクッションの役割をも果たす為、部分的に厚さを変え可動部分は薄く、足裏部分は厚くしています。中にはふくらはぎを締め付ける事で足を疲れにくくするコンプレッション効果のあるものまであります。
耐久性もかなり上がっていて、あるメーカーにおいては穴が開いたら新品と交換。というメーカーまであるくらいです。
普段着メーカーの商品はスポーツには適さないと言われるのは、上記2つが大きい理由です。
近年バックカントリーが流行して身近になり、ライトなイメージがありますが、危険にも簡単に近づいている事を頭の端っこ置いてあげてください。
私の父は山岳指導隊をしております。
実家の側にある1600mほどの山で、お年寄りが紅葉を楽しむのに登れてしまう山で低体温症で亡くなった方がいたと聞いた事があります。
その方はジーパンを履いていたそうです。
もちろん冬山でジーパンはありえません。ですが万が一は起こり得ます。
安全に、そして快適にウィンタースポーツを楽しんで頂くために、身に着ける素材の事をいつもよりちょっとだけ気にしてもらえたら嬉しいです。
今シーズンも怪我や危険な思いをする事なく、楽しい思い出いっぱいで締めくくれるように!
Author: パウダーカンパニー