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ルールについて

Date:2015.03.23 
Category: その他


何事にもルールはあるものです。

 

自然の中では、ルールが無い様にも見えるかも知れない。

しかしそれぞれの環境の中でのルールと法則は存在する。

 

では仮に、ひとグループだけ「ニセコアンヌプリを登頂して、滑りを楽しみながら降りてくる」パーティーが居るとしましょう。

「グループリーダーはあなた。」

レルヒ少佐が100年以上前に訪れた時のような情景でしょうか。

周辺には人も住んでいなく、スキー場もありません。

当然ニセコルールや様々な情報も無い状況です。

「さぁ、どうしたものか。」

 

細かなリスク回避方法の話は置いておきます。

ヒラフからだったら馬ノ背からアプローチするか、アンヌプリスキー場からだったらパラダイスを登るのか、五色温泉まで行けるとしたらやはり通常の登山道(夏道)が楽で安全でしょうか。

目的たる「下りはどうしよう。」

コンディションは良くある厳冬期のニセコのパウダースノーだとしましょう。

過去数日や現在も風は強くなく、南東面の深い雪も良さそうです。

 

上記シチュエーション、私だったら完全立ち入り禁止区域の沢は勿論の事、きっとスーパーコースにも入らないかも知れません。

他に誰もいない設定ですから、尾根状の地形を滑ってきてもコンディションは良いでしょうし、何より雪崩的に考えても安全。

 

そして基本尾根を登ったと思うので、そのクライミングした近くを滑った方が斜面の下見も出来ているので、滑りも思いっきり滑れるでしょうから。

でも現場では新たなる情報も沢山得られる為、良い意味でも最悪を避ける上でもルートや予定を変更するかも知れません。

 

片やスキー場を利用する上でのルールがあります。

ニセコの10年以上前に出来た地域条例「ニセコルール」では、滑り手の自由を尊重しコース外滑走を容認する代わりに、数カ所のロープの隙間を設けてコンディションによってはその隙間をコントロールしました。

賛否はあるにせよ、全く覚悟の無い状況を少なく出来ている事や、スキー場の経営を超えてゲートの開閉が管理されている事で事故が減る事に至った素晴らしいルールです。

 

ルールを語る上で区別しないといけないのは、自然環境を優先する自分達を中心にしたルールと、スキー場を利用(リフト活用)した場合のルールがあり、これをゴッチャにしてしまうと話が進みません。

仮に本日スキー場に居る全ての人が、今日や明日の危険やマナーについて理解したとしても、現時点では完全立ち入り禁止区域の滑走を容認すべきではありません。

それは明日また無知な人や子供が来てくれるのがスキー場の良いところでもあるからです。

 

しかし創ったルールはこれからも変化を求められることでしょう。

少ない数ですが、春の滝や湯の沢、閉じたゲートの外に付くトラック。

ニセコ在住の人のものではない事を願いますが、ビジターであったとしても釈然とはしません。

ニセコに住んで、社会の中で責任を持つが故に破る事すら考えられないルールの特性は否めないでしょう。

 

ただ未来には誰でもが危険に対して自分をコントロールすることが当たり前となって、本当の自由が皆にかせられる社会が訪れた時に、崖の上を残し全てのロープがとれる日が来ることを楽しみにします。

 

自分の命は自分で守るという意識や教育が根付いていない現状で、ここまでのルールが立場を超えた人たちに依って存続している事は素晴らしい事だと誇りに感じます。


ニセコルール

https://www.niseko.ne.jp/ja/rules/


ニセコ雪崩情報

https://niseko.nadare.info/ 


POWDER COMPANY GUIDE

高久智基


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この文章はPOWCOM Snow Journal ISSUE No.5(2015/1/15配信)より抜粋しております。

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Author: パウダーカンパニー

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