PHOTO SESSION BLOG

15歳の羊蹄山登頂滑走ミッション

Date:2019.04.04

こんばんは、Kageです。

今日は毎年ニセコに長期滞在しているオーストラリアのキッズの希望で羊蹄山のピークまで行ってプライベートPhoto Sessionしてきました。

 

彼は小さい時からサーフィンで大手メーカーからスポンサーを受けているスーパーキッズで、ここ数年はスノーボードでもPatagoniaなどスポンサーが付いているようだが、彼がニセコに来始めた5年ほど前から毎年のように彼を撮影していた。

 

その頃はまだ10歳か11歳だったが、今はもうあと2週間で16歳となり、身長も一気に伸びて今となってはマコちゃん(山田誠)よりもデカく185cm以上になった。だからもうキッズではなくなってしまって、もはや青年って感じだ。ハイシーズンはいつものように家族でニセコに長期滞在した後一度オーストラリアに帰っていたが、今回は春(?)のニセコに1人でやって来た。

 

目的は羊蹄山のピークまで行って滑る事。しかし、羊蹄山に登るのは今回が初めてだと言う。そして、今日のその模様は彼のスポンサーでもあるPatagonia Australiaのwebで紹介されることになっているという。さぁて、彼は羊蹄山のピークまで行けるのだろうか?

 

天気図と天気予報と睨めっこして、滞在期間中でいつ行くのか悩んだが、今日結構する事に昨日決まった。しかし、天気予報では午前中は天気良さそうだが、午後は雲が出そうだった。

 

朝早くに起きると雲は多少あるが晴れていて羊蹄山がまだ薄暗い夜空に聳えて見えた。雲の流れが速く、予報以上に風が強そうに見えたがアタックには最良の日に思えた。羊蹄山のピークまでを考慮して、いつもよりも随分と早く朝6時にPOWCOMに集合して羊蹄山に向かった。

 

登り始めの頃まであった雲は、しばらくしたら雲一つない快晴となった。風をかわしている面から登ったため、登っている時は程よく風があるお陰でそれほど暑さも感じず、丁度良い実に気持ちの良い気候だった。しかし、歩き始めて1時間半くらいしたら、疲れが見え始め、次第にそれが顕著になっていった。登頂にはまだ先は長いのに、思っていたより早くに結構な疲れが見え、素晴らしい天気とは裏腹に登頂滑走というミッションに陰りが見え始めた。ハイシーズンのニセコ滞在中は毎日のように滑っているが、基本的にゲレンデばかりでハイクすることはあまりないだろうし、しばらくニセコからも離れていていきなり羊蹄山に登るのは確かにかなりハードだ。しかし、今日のお客様は彼一人、登頂出来るか否かは彼次第である。逆に言うと、ゆっくりでも良いから彼のペースで行く事が大事だ。時に励ましながら、ずっと彼のそばで撮影しながら登り続けた。

 

7~8合目くらいからだろうか、快晴だった空から次々と雲が湧き出し、時に真っ白になるも、風が強いせいか、直ぐに雲が抜けるのを繰り返した。また、その頃から硬い雪の上に載った新雪が滑って歩きづらくなり、時折足を滑らせ倒れ込むようになった。心を折られそうになるアレである。そして、8~9合目くらいからはピークの標識は見えているのに、なかなかあとちょっとが長いという印象で、彼の疲れもピークに達していた。下を向いて10歩くらい歩いては、足が止まり、たまに顔を上げてはなかなか距離の縮まらない山頂の標識を眺めるというのを何度となく繰り返した。しかし、一歩一歩足を前に出せば必ず到着する。そうStep by step…。

 

そして、登り始めて5時間ちょっとで念願の登頂成功。疲れが来るのが早かったが、そこからずっと良く頑張った。ニセコに来て5年間ずっと下から見上げていた羊蹄山の頂上に立ったのだ。しかも、いつも一緒に滑っている弟やお父さんと一緒ではなく、彼だけ先にこの場所に立ったのだ。一体15歳の彼はどんな気持ちだったのだろうか?

 

疲れていたし、暫く頂上の雰囲気を味わった後、いざ滑り始めた。次は念願の滑走だ。そうだ、我々は登りに来たのではなく、滑りに来たのだ。頂上付近は硬い所もあるが、新雪が残っていて場所によっては30cmくらいのパウダーだ。最高じゃないか!!一本目はお目当ての沢の入り口までの一本だった。気は抜けないがスプレーは飛ぶ。しかし、一本目の撮影が終わったら急に雲が湧き始め、一気に視界不良となってしまった。しかし、登っている時も何度かそうなったが風のお陰で直ぐに回復していたから、ちょっと待てばまた晴れると期待していた。しかし、待てど暮らせど雲が抜けることはなく、お目当ての沢の撮影の時には光がない状態で降りてくるしかなかったのが残念でならない。せっかくダブルオーバーくらいのスプレーが飛んでいたのに…。結局、光があったのは一本目だけとなってしまったが、上部はパウダー、中間以降はシャクシャクのスラッシーな雪で、ストップスノーとなったのは本当に最後の最後だけで最高だった。

 

そんなワケで僕らは無事に15歳の羊蹄山登頂滑走というミッションを成功させることが出来た。今日の経験が彼のこれからの長い人生で少しでも役立つと良いが、少なくとも良い経験になったことだろう。これからも頑張れよ、J!!そして、Good Job!!

 

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歩き始めて暫くしたら雲一つない快晴となった。今季麓まで達する大規模な雪崩で木が広範囲になぎ倒されて視界が開けたポイント。

 

 

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森林限界を超えて下界との高度差を感じられるようになった。

 

 

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だいぶ登ってきたが、まだ先は遠く、羊蹄山の大きさを感じずにはいられない。

 

 

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早い段階から疲れが見え始めたが、一歩一歩確実に登っていく。

 

 

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体は疲れているが夢に向かって急登を登っていく。自分との闘いだ。

 

 

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頂上の標識は見えているが、なかなか距離が縮まらず、数歩歩いては足が止まるJ。

 

 

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心折れる事なく山頂直下まで来て、初めて羊蹄山の向こう側と火山口を見ることが出来た。

 

 

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登り始めて5時間ちょっとでようやく登頂成功!!見えているのに遠かった山頂の標識にタッチ。

 

 

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ニセコエリアで一番高い所でおどけるJ。

 

 

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POWCOMツアー史上6~7回目位だろうか、登頂成功したクルーと記念撮影。お客様1人に対してスタッフ5人。

 

 

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ドロップポイントまでの移動。足場が硬くてドキドキな箇所もある。

 

 

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J君の念願の羊蹄山ファーストラン。

 

 

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大斜面に大きな弧を描くJ。この高度感が堪らない。

 

 

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残念ながら光がなくなってしまったが、ダブルオーバーのスプレーを上げていた今日のリーダーガイド山田誠。

 

 

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スプレーに包まれるテールガイド?岡田修。

 

 

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通訳兼サポートスタッフ小林明弘。

 

 

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通訳兼サポートスタッフ中村美峰子。

 

 

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下部の沢セクションもスラッシーな雪で最高だった。

 

 

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ミッション成功し無事に下山したJとハイタッチ。

Author: Kage Photo

kage

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