PHOTO SESSION BLOG

Tent Tour Day1

Date:2014.04.15

こんばんは、Kageです。

 

先日Powcom史上二度目となるBackcountry Tent Tourを一泊二日で行いました。前回は5年前に開催し、お客様は常連様のたった一人で他大勢のスタッフでした。最少催行人数には達しなかったのですが、スタッフ達の「一度テント泊をやってみたい」という声に応えて開催しました。その当時を含め僕は震災のあった2011年までの8シーズンをニセコとアラスカなどでテントで暮らしていました。冬の4ヶ月ほどをずっとテントで過ごしていたのです。一度ちゃんとした装備を揃えてしまえば、きっとほとんどの方が冬季のテント生活が出来ると僕は思っています。その証拠に、経験もなく不安がっていた僕の嫁(当時彼女)も装備を揃えて結局5シーズン共にテントで暮らしました。また、5年前の開催時に初めてテント泊をした佐野雄介は、結局そのまま連泊したくらいでした。大事なのは装備や道具だと思います。勿論経験から学んだ幾つかのテクニックやコツもあります。それらのテクニックに加え、装備や道具は一体何が必要で、何が良いのか?をこのテントツアーを通してお伝えし、実際自分で体験して貰い、今後のキャンプや山行に役立てて頂けたらと毎年テントツアーを春に打ち出していました。しかし、お客様が最小催行人数に達しなかったり、震災の影響でお客様がニセコに来られなくなったり、興味を示して下さったお客様が居てもスケジュールが合わなかったりと、それ以降開催されておりませんでした。

 

しかし、今回は最小催行人数である3名のお客様が集まり、5年ぶりに開催が実現しました。嬉しい限りです。2名の常連様とPowcom初参加のお客様1名、そしてヘッドガイドの岸秀彦、テールガイドに高橋孝精、カメラマンの僕。それから、テントツアー参加を希望するPowcomスタッフ5名の総勢11名の大所帯ツアーとなりました。

実は今ツアーの監修に任命された僕は、開催に伴い大きく分けて二つの悩みがありました。一つはテント場を何処にするか?、もう一つは晩御飯など食事を何にするか?です。

テント場には二つの方向性があり、一つはわりと車から近い場所にテントを張るか、もしくは車から遠い山の上などに張るかです。前者であれば荷物を運ぶのは非常に楽だし、防寒着や食事や装備などを余分に持って行く事が可能で、テント泊がより快適になります。寒くて耐えられなくなれば車で温泉に行く事も出来るでしょう。後者は、装備を必要最低限にしないと重くてハイクが大変だし、またどうやって山の上にテント数張りと1泊分11人の食事や水を運ぶか?、バックパックを通常より大きいサイズにすべきか?お客様のみならず隊全体の体力は大丈夫か?など懸念事項は増えていきます。そして、何度もガイドやスタッフと話し合った結果、またお客様へのアンケートも踏まえた上で後者を選択しました。大変な想いをした方が思い出に残るし、装備について真剣に向き合えるし、参加スタッフも多いので遠い場所に張るチャンスでもあったし、何よりスタッフ達が「荷物運びます!!」と言い切ってくれたので後者に決めました。後者となればテント場はあそこと決めていた場所があり、風次第だがそこ狙いとなりました。僕も今までそこではテントを張った事がないのだが、一度そこでテント泊してみたいとずっと思っていた場所でもあり、僕がニセコの中で大好きなロケーションの場所でもありました。

 

次に食事の問題ですが、こちらには3つの方向性があり、一つはレトルトや岳食などの軽量で簡単な質素な食事、もう一つは食材を山へ持ち込んでしっかりと山中で調理する方法、あとは下界で事前に調理しておいたものを山で温める方法。これに関して僕は正直質素なものでも良いと思っていました。何故なら11人分をしっかり調理するには大きな鍋を持って行く必要があり、食材も嵩張るし、当然重くなるからで、もし自分だけなら間違いなくアルファ米などを使って出来るだけ軽量化を図ったからだ。しかし、ヘッドガイドの岸君は「レトルトは有り得ない!鍋や食材は僕が持つし、僕が調理する!」と宣言し、調理長岸君は「モツ鍋を作ります!」と言ったのであった。当然お客さんがいるのでレトルトよりはしっかり調理した方が望ましいので、食事は岸君にお任せしました。

 

これで悩みは解消し、前日には各自装備を持ち寄って、個人装備と共同装備の確認、スタッフや一部のお客様の装備が足りない人には僕の余っている装備を貸し出し、そして荷物の搬送法の確認を行いました。

そして、いざ当日。絶好の快晴となりましたが、午後から結構風が強く吹きそうな予報。気圧配置図からしても2日目は風は収まる見込みだが、初日は相当な強風が予想されました。その為、よっぽど風が強ければ予定地よりも手前で風をかわせる場所にテントを張ることも視野に入れてツアーをスタートしました。 

 

お客様は札幌からと神奈川からお越しの常連様と、石川県からお越しのPowcom初参加の方。あちこちからそれぞれ1人でご参加頂きました。初参加の方は滑走レベルや体力が不明で心配しておりましたが、立山などでのテント泊経験もあり、毎週山を滑っている方と聞き安心しました。持って来ている装備を見ても問題ないことは直ぐに分かりました。

 

さて、アプローチポイントに到着し、準備していざ荷物を背負ってみるとやはり重いです。そりゃぁ~いつもの装備を積んだカメラバッグだけでも25kgくらいあって重いのに、それに加えてシュラフに防寒着、テント用具、食器、2日分の水、行動食と個人装備とした初日の昼飯と2日目の朝食、夜撮影用の三脚、2日分のカメラバッテリー、それに僕はほとんど持っていないが共同装備の水が3Lなどなどだから、まぁ~35~40kgだろうか?それらを以前使っていた大きいカメラバッグにギューギューに詰め込み、入りきらない物は上下左右とあらゆる面に荷物を外付けで括り付けてある。そりゃぁ~重いに決まっている。しかし、今回は軽量化を図ってスプリットボードを使用、板を背負わなくて良い分大分楽だ。そして、僕は撮影機材がある分共同装備を持つ分は少なく、また鍋や食料、テント4張りを3台のソリに分けてハーネスで引っ張る搬送方法も免除して頂いた。と言いつつ、斜度のないところでソリも引っ張ってみたが、斜度がなければ全然問題なかった。しかし、皆が頑張って荷物を引っ張ってくれた急斜面はさぞかし大変だっただろうな。去年までスキー場として運営していた場所なのでリフトの有り難味を身に染みて感じた。

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お客さんも軽量化のために板をロープで引っ張ったり、搬送時の大きいバックパックと滑走時用の小さいバックパックを両方持って来ていたりとそれぞれ工夫していた。

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ソリを引っ張っていたロープが切れるなどのトラブルもあったが、特に大きな問題もなく超強風時に予定していたプランBのテント場付近に到着したが、思ったほど風が強くなかったので予定通りの場所へと向かった。

荷物の重みもあり、ゆっくり休憩しながら登り、正午前出発して約2時間で遂にテント場に到着した。お客様もスタッフも想定していたほど疲れてはいないようだ。そこに滑り道具以外をデポし、今度は滑るためにハイクを開始。先程までが重かっただけに、いつもの滑り道具だけだとやたらと軽く感じる。

1日目のメインディッシュと考えていた標高差のある長く大きな一枚バーンに向かうも、残念ながら強風の影響で良く晴れて気温は高いのに雪がシャバけておらずカチカチで硬い。仕方なくそこを諦めて、より太陽の光を浴びた南面で雪のシャバけた場所を探す。

 

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場所によってはフィルムクラストの最高の春雪を見つけPhoto Session開始。フィルムクラストのバンクに当て込むテールガイドの高橋孝精。

 

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お客様のNさん。

 

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フィルムクラストに照らされた場所で僕の注文通りスプレーを飛ばしてターンして下さったお客様のHさん。カッコいい写真が撮れました。

 

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スタッフ鈴木秀明のレイバック。

 

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こちらは佐野雄介のレイバック。

 

そして、一旦テント場に戻ってテントの設営をし、しばし休憩タイム。しかし、この頃から大分風が強まってきた。風をある程度かわせる場所ではあるが、テントが飛ばされないか聊か不安であった。

 

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こちらがこの日のテント村?テント団地?THE NORTH FACEのテント4張り。

 

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風除け付きの掘りごたつ式食卓テーブルを囲って記念撮影。

 

そして、しばしの休憩の後はテントツアーならではの夕焼けライドセッションへ向け、再度ハイク開始。爆風となってきていたが、夕方の光の筋が当たっていた尾根を滑走。

 

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お客様のKさん。通常のツアーではこの時間までツアーをしないのでPhoto Sessionではなかなか撮れない写真が撮れました。

 

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こちらはPowcom店長の佐藤岳。

 

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そして、今回紅一点で参加のPowcomスタッフサトちゃんこと西川暁子。

 

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今回のヘッドガイドで調理長の岸秀彦。

 

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夕焼けセッションを終えて皆でイエーイ!!

 

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そして、岸調理長のモツ鍋を囲んで夕食タイム。

 

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夕食時にビールや熱燗、ハードリカーなどを呑みながら、僕のテント体験談やテント生活のテクニックや注意点・アドバイスなどを話す。強風のためこの頃から寒さを訴える人が出てくる。気温的には大した温度ではなくおそらくマイナス5℃前後だと思うが、強風で体感は結構寒く感じたのだろう。そんなワケで夕食後いっぱいテント体験談を話そうかと思っていたが、早目にお開きとなり、明日は朝焼けライドのため3:30起床だし21時には就寝した。

 

しかし、この夜とある事件が発生するのだった...。
つづく。 

Author: guide

kage

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