Tent Tour Day1 : キャンプ編
Date:2018.04.14
ピークからの滑走を終え、朝昼夕と3度同じ道を登ってテント場に戻ると、荷物のデポ用に張っておいたテントにも既に薄っすらと雪が積もっていた。風も強くなってきていたし、この天気では景色も見られないので、当初予定していた眺望の良い開けた場所ではなく、昼にデポ用に張った木の生えた場所をそのままテント場にしようか、それとももっと風をかわせる場所にするべきか悩んでいた。リーダーガイドの岸君と相談して、もっと風をかわせる場所に移動する事にした。(後に湿った雪が横から吹き付け、この判断は正解だったと思えた。)
テントを張る場所を決め、皆で手分けしてショベルで雪を削り、なるべくテントの下の雪を平らにする。そうした方が断然寝心地が良いからだ。それと同時に台所やダイニングテーブルも雪を掘って作る。リピーター様も数人居るので、指示しなくてもお客様から「テーブルは何処に作ります?」なんて言って来てくれました。有難い。
雪を掘りダイニングテーブルなど皆で手分けしてテント村を作りあげていく。
こちらはキッチンの様子。さて、調理長の岸君は何を作ってくれているのでしょうか?
さて、お客様は一切気付いていなかったのだが、今回調理の際にちょっとした事件が起きた。それは僕が調理用に持って来たMSRのドラゴンフライというガスストーブなのだが、どうやらガソリンが漏れていて調理中に引火。慌てて炎が出ているボンベを足で雪に押し込み消火を計るが、消えては燃えるを繰り返す。そして、隣に居た岸君に「手が燃えてる!!」と言われて左手に目をやると、左手のグローブにも引火し手が炎に包まれていた。全く熱くないので気付かなかったのだが、危うくやけどを負うところだった。運良く、しっかりと炎が上がっていた割にはグローブもウエアもガソリン臭くなったくらいで全く問題なく助かった。残念ではあるが、当然の如くその時の写真は無い。悪しからず…。そしてもう一つ。なんか焦げ臭いなぁ~と思ったら、米が少し焦げてしまっていました。まぁ~ギリギリ食べられる感じで良かったです。
今回のメニューは肉が食べられない人が居たのでシーフードカレーでした。スパイスが利いていて旨かったぁ~!!ありがとう岸君。
「米が食いたい!」と言っていたIさん。
18:45、皆で「乾杯!!いただきまぁ~す!!」。
美味しいし、かなりの量のカレーだったので皆お替わりしてお腹いっぱいに。
食事中も終始湿った雪が降り、風も感じられたが、雨じゃなくて良かった。
今回は夜になって辛うじてマイナス気温になるかどうかという暖かさで、テントツアー史上一番暖かい夜だったように思う。僕は持って来ていたダウンパンツもダウンブーティーも結局使わなかったが一切寒くなかった。しかし、人によっては寒かったと言っていた。寒くてあまりビールを呑む気になれなかったという者も居た。きっと湿った雪でウエアが濡れてしまい中まで滲みてしまったか、ファーストレイヤーが汗で濡れたままになっていたか、ブーツから水が滲みて靴下が濡れていたせいかな?と思う。確かに0℃前後で雪が湿気ている時は、気温がそれより低くてドライな雪の時よりも寒くなる事が往々にしてある。テント泊自体レイヤーリングが肝になるが、こういう日のレイヤーリングは一番難しい。単純に気温では計れないところがあり、気温が高くても一度体が冷え切ってしまうとそこから体を温めるのが難しくなってしまうのだ。だから、体が冷え切る前に手を打った方が良い。テント場の周りを走ったりだとか、汗を掻かない程度に体を動かしたりする等、対策が必要となる。僕は今回雨も想定してレイヤーリングを悩みに悩み抜いた結果がどうやら功を奏したようだった。
寒そうにしていたテントツアー初参加のカップル。
向き的に風下から撮影せざるを得ず、レンズに付いた雪が直ぐに水となって、テント風景が撮影し辛かった。
今回は総勢11人だったのでThe North Faceのテントを3張り使用した。
夕食後1時間くらい外で団欒する人達。
実はツアー前日である昨日、ニセコでは珍しく熊が出没。夕方モイワ近くのアンベツ川で目撃されたのだが、その後猟友会が出動するも進展がなかったようだった。そんな事もあるし、キツネが行動食を入れたままのバックパックを食い千切ったなど、過去何回か動物による被害が出ているので、食料の管理を徹底するようにお伝えした。キツネならまだ可愛いものだが、熊が来るのは勘弁だ。寝ている最中に熊の気配を感じたらどうしようか?頼むから来ないでくれ!!と思いながらも、そんな事スッカリ気にも留めずに、シュラフに入ったら即グッスリだった。おやすみなさい。
Tent Tour Day2 : 積雪で真っ白な朝 へ続く…
Author: Kage Photo
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