高久智基 BLOG

吹雪の最中 ニトヌプリ雪崩

Date:2009.02.08 
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こんにちは、今日のニセコですが、昨夜の低気圧通過に伴って荒れています。 昨夜は若干飲みすぎた感もありますが、雪を楽しみにして来た「THE NORTH FACE」の皆とニセコビレッジ(旧東山スキー場)で待ち合わせました。 残念ながらゴンドラは動きませんでしたが(ゲレンデでも雪崩れそう)、下のゲレンデに積もった風成雪(強風で運ばれた雪)を楽しみました。 今朝10時ぐらいにニトヌプリで雪崩が発生して数名が埋没、同グループとその場に居合わせたグループによって掘り出されました。 雪崩に巻き込まれたグループも知人のガイド会社であり、またガイドも知人ではありますが、当日という事もあり本人たちから話は聞けていません。 また私自身に本件を追求する権利もありませんので、この記述は現場に居合わせた前後のグループの知人より聴いた話とよくこの山に登る私の経験とを総合して書いています。 「ほんとに死人が出なくてよかった〜」 というのが第一印象です。 現場は冬季閉鎖の道路からすぐに急斜面に取り付くことが出来る、とても素晴らしい滑走斜面。 今シーズン、私だけでも5〜6回は登っています。 そして今日の雪崩れは、滑走中に起こったものではなく、登山中に起こったもののようです。 自然発生なのか、前を登るグループによる人為的な雪崩なのかは分かりませんが、数グループ後に斜面に取り付こうと今回雪崩れた小さな沢(窪地)を横切っているグループを雪崩が襲った模様。 ちなみに私は、この尾根の中の小さな沢が雪崩れている所は見たことがなく、すぐ隣には深い沢もあるせいか、まさかそこが雪崩れるとは!?といった感覚も否めません。 今回のケースなのですが、吹雪の最中であり最も雪崩れの危険性が高い日でもありました。 プライベートであるなら家でゆっくり過ごしているような日です。 ただガイドという側面から考えるのであるならば、こんな日にニトヌプリという判断は、大間違いではないように感じます。 ただ二セコには多くの滑り手がいて、賑わっています。しかも日曜日。強風によってほとんどのゴンドラは運休状態。いくつかの要素が重なり、不安定な斜面に過剰な人数が存在したのでしょう。 雪崩が起こりやすい場所というのはあるかも知れませんが、必ず雪崩れる訳ではありません。 むしろその前と今の天気と地形的な条件が重なると引き金が引かれるように感じます。 同じ場所でも明日はオッケーだったかも知れません。 やはり大切なのは、「自らのグループの危険把握と安全管理」ですね。 パウダーを楽しむという行為自体が、危険へ近づく行為であることもグループでは認識しておく必要があります。 一見安全に感じるスキー場からのアクセスでも、今回の様なケース(もし起こるならばもっと巨大)が起こる可能性は十分にあるのです。 雪崩れの走路の確認と把握。 沢のボトムでは休まない。滑る場合や通過する際は迅速に。 2009.2.8ニトヌプリ雪崩(場所は大体です)
大きな地図で見る 共同通信より転記 北海道・蘭越で雪崩、2人けが ニトヌプリ入山のツアー客  8日午前9時55分ごろ、北海道蘭越町のニトヌプリ(1、080メートル)で雪崩が起こり、入山していたツアー客ら10人のうち4人が巻き込まれた。倶知安署によると、4人はすぐに仲間に救出されたが、東京都新宿区市谷台町の会社員加藤勤之さん(32)が大腿骨を折り、新宿区坂町の同石河賢さん(31)が左肩ねんざのため病院で治療を受けた。  同署やツアーを主催した倶知安町のアウトドア会社「ノーアスク」によると、一行はスキー場以外の天然の斜面でスキーやスノーボードを楽しむ「バックカントリーツアー」に参加した仙台市など道外の男性8人と、ガイド2人。  午前9時半ごろ入山し約20分後、約100メートル上方で長さ約500メートル、幅15−30メートルの雪崩が発生。ガイド1人と客3人が巻き込まれたという。  同署はツアー行程に無理がなかったかなど関係者から事情を聴いている。 2009/02/08 18:24 【共同通信】 http://www.47news.jp/CN/200902/CN2009020801000161.html

Author: 高久智基

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