PHOTO SESSION BLOG

3.11は色々と表と裏を感じる1日となった。

Date:2024.03.11

こんばんは、Kageです。
今日は去年今年とPOWCOMで一番参加して頂いている(?)常連様お2人の初顔合わせというツアーに同行してPhoto Sessionしてきました。札幌からほぼ毎週ご参加のSさんと、東京から去年初めて参加して頂いてから今日で28回目(?)のOさん。お2人とも毎回Photo Sessionをリクエストして頂き、いつも本当に有難う御座います!!

そんなSさんの希望もあって今日はゲレンデからスタートして、その後バックカントリーへと行く内容でしたが、日中+6℃位まで上昇したせいで妖怪板掴みが大量発生し、時間を追う毎にゲレンデ内でもストップスノーになっていきました。昨日思いの外30cm近くの新雪が積もったので予想はしておりましたが、なかなかの掴まれっぷりで、BCに行ったらどうなっちゃうんだろう?と心配しながらハイクアップすると、狙ったポイントはボトムレスの走るパウダーで皆さん大喜びでした。しかし、そこからの帰り道はまた猛烈な板掴みに遭いました。そんなワケで今日はゲレンデのビタビタカーヴィングからBC北面でのバッフバフパウダー、そして帰り道の南面では猛烈なストップスノーと、色々と正反対の事が混在するごちゃ混ぜのツアーでした。

良いパウダーを滑れてご機嫌で下山すると、今日午前中に発生した羊蹄山北面での雪崩死亡事故のニュースを耳にし、その後先程僕らが歓喜した場所辺りを旋回しホバリングする二機のヘリがPOWCOMから見え、何があったのだろう?と思っていたら、午後イワオヌプリ南面(東面という情報もあり)で雪崩負傷事故が起きたと後からニュースで知った。イワオヌプリの雪崩事故は、僕らが歓喜した場所のすぐ対面で直線距離でも近い距離だし、通報があったのが12:40~12:45とのことで、まさに僕らが歓喜のパウダーを滑っていた時刻とほぼ同じ時間だった。ニセコなだれ情報では、「観測と各データから全体の雪崩リスクは低い」とされており、気象庁発表のこの地域の雪崩注意報も朝には解除されていた。傾向としては、少し前に南と北寄りの爆風が交互に吹き荒れ、何日か晴れてサンクラストもあり、温度勾配も激しく、全体的に固い雪の層の上に昨日の大量の降雪が載った状態だったので、風の影響があった場所や吹き溜まり、斜度変化の場所は注意が必要な状況だったが、僕らが行った場所での雪の感触は雪崩のリスクは低いと感じていた。そんな中で起きた2件の雪崩事故。ともに外国人による事故だったが、人種の問題はさておき、全体の雪崩のリスクは低いと評価された日に、羊蹄山の真北とイワオヌプリの真南(東面という情報もあるが)の正反対の方角で雪崩が発生した事がちょっと気になる。僕らが歓喜した面と羊蹄山の雪崩た面の向きと標高は近いし、前述したようにイワオヌプリの雪崩たポイントは対面でほぼ同時刻、何が運命を分けたのか?山に絶対安全は無く、常に危険と隣り合わせだとつくづく感じる。歓喜と危険は紙一重だし、表と裏は表裏一体なんだなと感じるし、改めて色々考えさせられる一日だった。思えば13年前の今日2011年3月11日も、極上の雪をモイワで味わい余韻に浸っている時に、あの東日本大震災が起きた。我々も明日は我が身。いつどうなるかなんて誰にも分からない。常にリスクを考えながら行動をしていますが、これからも身を引き締めて活動していきたいと思います。今日羊蹄山でお亡くなりになった方、そして東日本大震災で被害に遭われた方のご冥福をお祈りいたします。

P.S.
大半が南面という報道の中、東面という情報もあり詳細は分からないので推測ですが、南面だとすると今日イワオヌプリの雪崩た場所は近年シール登攀の人を中心にピーク直下の南側滑走斜面を横切って登っている場所と思われ、運が悪いと登っている人を巻き込む集団埋没事故にもなり兼ねない状況だったので、そうならなくて良かったと思ったのだが、あそこを登る人って怖い・危ないと思わないのかなぁ~とつくづく思った次第です。カメラマンという立場上、斜面の途中で止まっていたり、斜面を横切る事もあるので偉そうな事も言えないのは重々承知しており批判もあると思いますが、この機会につぶやいておきます。


Sさんの希望もあってまずはゲレンデからスタート。ゲレンデで滑りを磨く、これ本当に大事なこと。




ゲレンデの壁に当て込むOさん。




本日のリーダーガイド佐藤岳のカーヴィングターン。




ゲレンデを回した後にハイクアップしてBCへ。




既に至る所がストップスノーだったが、狙った場所は最高のパウダーだった。Sさん、ナイスターン!!




ノートラックの良い所を見つけてターンを決めるOさん。




正午太陽を背に真北面を滑る佐藤岳。




今年はスプレーから抜け出て来る写真を残したいと言っていたOさん。




オーバーヘッドのスプレーを上げるSさん。対面にあるイワオヌプリで雪崩事故の通報があった時刻だ。




ロングスプレーを上げる佐藤岳。この時既に羊蹄山の同じ面の似た標高帯で雪崩が発生していて、この40分後に背景に写るイワオヌプリのポイントで雪崩事故が発生したことになる。

Author: Kage

kage

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